毎日が筋肉痛

実際のところ1週間に3日あるかないかくらいです。

明日やろうはなんとやら

最近ね、風呂釜のお湯が中々抜けないんですよ。

ユニットバスなので、お湯が抜けきるまで待たないと床がグチョグチョになるの。正直かなり面倒くさい。セパレートに浮気しちゃいたい。

 

まあユニットバスちゃんとお付き合いしてからもう1年が経つんだし、こんなすれ違いの一つや二つくらい起きちゃうこともあるよね~、

とか軽い気持ちで風呂釜から出ようとしたんだけど、よく見たら風呂釜と繋がっている床の排水口から涙が溢れ出してんの。

お前今日ポカリ何リットル飲んだの?って問いたくなるくらい、とめどなく溢れ出してんの。

すれ違いとか、そんな可愛いもんじゃない。

完全に別れにかかってる。「もうあなたの体をキレイにする自信がない」とか言い出しかねない。

 

これはただ事じゃないな、とばやしは思ったわけです。そして、冷静にこの1年間を振り返ってみました。

思えば俺は「今忙しいから」とばかり言って、ユニットバスちゃんにほとんど何もしてやれなかった(掃除的な意味で)。

3日に1回くらいの頻度ですすり泣いていたことも知っていたのに、気づいていないふりをし続けてきた(こっちはメンテ的な意味で)。

別れを切り出されてもおかしくないようなことを、

俺はしていました。 

 

自分の気持ちと向き合えたら、やっぱり今度は今の相手の気持ちも知りたくなるよね。

そこでユニットバスちゃん、今度は君の心の内に秘めている思いを見せてくれよと言わんばかりに、排水口の蓋を開けたわけですよ、そっと。

ソムリエが、熟成されたロマネ・コンティを自らの口に運ぶように、優しく。

 

 

中が一面びっしりカビで覆われてた。ナウシカの世界かな?ってくらい覆われてた。

誰か、誰か蟲笛持ってきてー!!

というか、全然心開かれてなかったんだけど。心の中のロマネがコンティしてたんだけど。

まず、カビの色がすごくカラフル。

相当フラストレーションが溜まってないとこんな禍々しい赤色は出せないと思う。 

 

ちょっと冗談が通じないレベルにまで成長していたので、早急に巨神兵を召喚しなければ地獄を見ることになる、そうばやしは考えたわけです。

火の7日間が~、とかそんな甘いことは言ってられない。

映画を見ているときはこの畜生めが!とか思ってたトルメキア軍とも、今なら盃を重ねられる気がする。

 

それにしても、時代の流れって恐ろしいよね。

なんせ今はあの巨神兵が、カビキラーとかいう名前で、マックスバリュの店頭に並んであるくらいなんだから。

 

買いに行きました。巨神兵改めカビキラーを。

そしてユパに「そいつを復活させてはならん!」つって襲われることもなく、無事、帰宅。ファーストミッション・コンプリート。

 

次にユニットバスちゃんの心の腐海に熱線の一撃をお見舞いするわけですよ。

どうやら映画では未完成なままだったらしいが、なにしろ今握っているこいつは研究者の方の努力もあって100%フルパワー状態。

1発でクリリン5000人分はもっていけるくらいのパワーは持ち合わせているため、怖がることは何もない。

 

意気揚々とユニットバスちゃんの心の焼却作戦を実行しました。

所詮人間と無機物の恋なんて成就するはずがなかったんだよ。

カビにまみれた心なんか燃やしちまえ!汚物は消毒だ!!

今の俺は最高にキレてる。

 

もちろん数発とは言わず、十数発は熱線をぶち込んでやりました。

「これはクリリンの分!これもクリリンの分!」シュッ!シュッ!

結局、80000人弱のクリリンが犠牲になったくらいで終了。難なくセカンドミッション・コンプリート。

 

 あとは数分待って水で流すだけ。カビと一緒にあいつとの関係も水に流しちゃおう、ぐらいの余裕を持ってシャワーの水を当てているわけです。マジ大人の振る舞い。大人バンザイ。

 

さて、結構シャワーも浴びせたし、ファイナルミッション・コンプリートかなー、

なんつって鼻歌まじりにその場を後にしようとしたらさ、

 

全然カビ、落ちてないの。

 

「あれ?お前さっき何か発射してた?」とか半笑いで聞いてきてんの。

ドラゴンボールの世界だったら、この後確実に爆散してた。危うく自らもクリリンになってた。

おかしいな・・・もうそろそろビッグ・ボスあたりに表彰されてもいいんじゃない?ってくらい完璧にミッションを遂行してたはずなんだけど。 

 

原因は何だ?

色々考えました。

どうするのが最善の策だったんだ?

懸命に考えました。

この状況を打開する策は何かないのか?

必死に考えました。

そして1つの答えにたどり着きました。

 

閉じたよね。排水口の蓋を、そっと。

パセリ農家のおじさんが、自分の育てたパセリを収穫するように、優しく。

 

皆さん、もしすれ違いが生じたら、忙しくても話し合いを後回しにしてはいけません。気づいたときにはもう手遅れですよ。

あ、あとパセリも残さず食べてあげてね。