毎日が筋肉痛

実際のところ1週間に3日あるかないかくらいです。

え?この世界に「ふしぎなあめ」って無いの?

いや~、寒いですね。

名古屋の冬がようやく本気出してきた。12月まではただのウォーミングアップだった。

いや、果たしてこの場合ウォーミングアップという表現があっているのか、と問われると答えに困るけど。体温まるどころか冷える一方。

 

と、ここで話は変わりますが、実はばやしは大学でアメフト部に入っておりまして、チームメイト達と一足遅い青春を送っているわけです。青春汗で黄ばみまくってるけど。超ガンコ汚れ。

 ちなみに僕の入っているアメフト部は、秋のリーグ戦が終わると、冬はオフ期間となります。

まあオフというのは名ばかりで、その期間中に次のシーズンに向けて筋力トレーニングをしなければいけないわけですよ。

運動系の部活をしている人は、大半がこの筋トレを『嫌いなメニュー』として認識していると思います。

ところがどっこい、ばやしはこの筋肉いじめが意外と好きなクチでして、

Mの素質は十分といったところでしょうが、中々の頻度で大学のトレーニングルームに足を運んでいるのです。

すると、たまに筋トレをしにくる他の学科の人達の間で、軽く話題になっていたらしいんですよね。

俺があのトレーニングルームに行くと、いつも奴がいる、と。

いつもあそこでベンチプレスを嗜んでいる、と。

 

そこでばやしについた異名が、「住人」。めっちゃアイテムくれそう。

更には、トレーニングルームは実はあいつの家なのでは、とかいう噂まで流れているらしい。

もう軽い都市伝説と化してる。

チームメイトなんか「住人さん、このダンベル使っていいすか?」なんてニヤニヤしながら聞いてくるしね。他人の家だってのに、がっつりトレーニングシューズ履いたまま。もう完全にロサンゼルス状態。

鎖国?What?とばかりに土足で入り込んでくる。

お前の前世ペリー?ってくらいの勢いで欧米の文化を前面に押し出してくる。

 

んで、つい先日、このことをプンプンしながら友達に話したのですが、ズバッと一言、

「別にトレーニングルームってお前のものじゃねえじゃん。」

正論。スーパー正論。確かによく考えりゃ、住人ってのはただの肩書きだったことを、すっかり忘れてた。心のどこかに家主気取りなばやしがいたのは間違いない。

「それに、住人つったってお前がそこにいる時間なんて1週間にせいぜい5~6時間じゃん。全然住んでねえじゃん。」

正論。ウルトラ正論。確かによく考えりゃ、住人っていう程いつでもいるわけじゃなかった。ただのタイミングの問題だった。

「あ、あと揚げ足取るようだけど、仮にそのトレーニングルームがお前の家だとして、ニヤニヤしたチームメイトの子は土足じゃなくてちゃんと『室内用』のトレーニングシューズで入ってきてるわけじゃん。それを、やれ欧米だ、やれペリーだとまくし立てるのは、彼にもペリーにも失礼じゃない?とは思うね。そこんとこどう思う?」

正論。アルティメット正論。もういろんな種類の正論が出揃いすぎて、何か遊戯王のレアカードの種類の復習みたいになってる。

というか、ちょっと待って、何この怒涛のラッシュ。彼の言葉のデンプシーロールが俺の顎に全弾クリーンヒットしてるんだけど。

レフェリー!

レフェリー早く止めて!ばやしのライフポイントは0よ!もう勝負は着いたのよ!

 

そんな中、ばやしがボッコボコにされて血の涙を流している間にも噂は地味に広がっていたらしく、最近では、あいつはそろそろあの場所を住処とする妖精にでもなってしまうんじゃないか、ともっぱらの噂らしい。もうわけが分からない。

俺、魔法の粉なんか振りまけないよ?振りまけるものなんて、汗かプロテインくらいしか持ち合わせてないよ? 

 

とまあ色々なことはありますが、ネバーランドって19歳にも入国の許可出してくれんのかなー、とかくだらないコトを考えながらも、一応真面目に日々トレーニングしているわけです。

 

 が、どう頑張っても先輩に追いつける気がしない。 

やっぱり、俺達1年生の倍以上の時間トレーニングをしているだけあって、パワーが違う。

一つ、スクワットをするスペースで目の当たりにした、忘れられない光景があるんですよ。

ウェイトトレーニングのスクワットっていうのは、鉄の棒(バーと言います)の両端にドーナツ状の重りを取り付けて、それを肩に乗っけて行うわけです。

もちろん重りを乗せる量にも限界があるけれど、普通に筋トレする人は取り付けれる範囲の重量でも全く困らないのね。

なのにね、今日も肉体改造頑張るぞーなんて鼻歌交じりにトレーニングルームの扉を開けたらですよ、

両端に重りが限界まで取り付けられて、もうバウムクーヘンを焼いてるようにしか見えない状態のバーが視界に入ってきたの。匂いは、香ばしいどころか、なんかゴム臭かったけど。

 しかもよく見たら、バウムクーヘンに何かトッピングされてんの。

重りをくくりつけた鎖がぶら下がってた。

んでもって、その下で先輩が厨房を走り回るベテランコックさながらのスピードで、フンフンとスクワットしてるわけ。

初めてその光景を目の当たりにしたら流石に混乱するよね。

何キロの重量でやってんの?

というかその鎖はどこから出てきたの?鋼の錬金術師か何か?

その右手は義手?義手なの?

?の宝石箱。?がいっぱい。 

というか、もうね、後ろ姿なんて、どっかのラスボスにいそうな雰囲気さえ漂わせてんの。

やった、倒せた!なんて浮かれてたら、

「小僧、これが絶望だ」なんつってパワーアップして復活するタイプの。

 

いずれは倒さなければならないのですが、 

なんせ、今の俺の筋肉では圧倒的にレベルが足りない。

今の俺のパーティーなんて、

大腿筋:Lv.2

大胸筋:Lv.4

上腕二頭筋:Lv.3

ですからね。

そんな装備で大丈夫か?

大丈夫じゃない。全然大丈夫じゃない。このままじゃラスボスどころか1番道路に出没するポッポすらろくに倒せない。

ちなみに レベルが100になったら、筋トレに励む者にしか見えないと言われる、マッスル・ティンカーベルに進化できるらしいよ。Wikiあたりに書いてあった気がしないでもない。

死ぬ気で頑張ったら、今ばやしにかけられている噂が現実のものとなる日が来るかも知れない。

 

最終的にあの先輩達のレベルまで到達できるのかなー、というか、妖精に進化したら、広背筋が異常発達して羽になるのかなー、

なんてことを考えつつ、明日も経験値を稼ぎに、いざ、トレーニングルームへ。